2022年1月3日
市民連合@やまぐち共同代表一同
市民連合@やまぐちの役員会は、市民連合の賛同者のみなさんに向けて、次の2点(国政選挙と知事選)について、報告とよびかけをします。
今後の各地でのとりくみにいかしていただくとともに、御意見御提案がありましたら、お寄せ下さい。
1 総選挙の結果をどうみるか、参院選に向けてどうとりくむか
(1) 総選挙(2021年10月31日投票)では、政権交代をめざして、野党共通政策を掲げ、山口県のすべての小選挙区を野党統一候補でたたかいました。各候補とも奮闘し、たくさんのみなさんの協力をいただきましたが、いずれも当選に至りませんでした。その中でも、1区大内さんは前回票と得票率を大きくのばし、4区では安倍さんの票が2万票以上減るという結果となりました。もっとも、投票率は5割を切り全国最低レベルとなりました。
なお、総選挙とほぼ同時期に実施された参院補選では、完全なかたちでの野党共同とならず、出馬も直前となりましたが、河合さんが得票数・率とも大健闘しました。
(2) 総選挙で、全国的に予想外に立憲野党の議席が伸びなかったことから、一部で「野党共闘は失敗だった、まちがっていた」との声が上っています。しかし、全体を分析すれば、小選挙区で自民党の幹事長や閣僚経験者を落選させ、また数多くの小選挙区で野党統一候補が敗れても大接戦となるなど、野党共闘の効果と成果があったことは明らかです。
この点、選挙後の山口県内の野党と市民連合との協議でも、野党共闘の方針は正しかったとの共通認識が確認されました。
(3) もっとも、安倍・菅政権と続いた腐敗した自公政治の悪政に苦しめられた市民の不満と批判が強かったにもかかわらず、投票率が上がらず、また、投票行動で立憲野党支持でなく「第三極」(維新など)に流れたことについては、重く受けとめる必要があります。
この点に関しては、山口県の野党協議の場でも全国の市民連合の意見交換の中でも、野党共通政策の魅力を伝えきれなかった、新たな政権のイメージをわかりやすく伝えることができなかった、統一候補と共通政策の確定が遅すぎた、などの指摘がされています。
(4) こうした認識のもと、市民連合の役員会では、参院選に向けて、従来の方針に加えて、次のような方針でのぞむことが確認されました。
① 全国的に候補者と共通政策の確定を早くするよう野党に働きかける。
② 共通政策の中で、山口県独自政策を充実させ、県民にとっての魅力のある政策を掲げる。
③ 国政選挙だけでなく、県内の首長選挙や議員選挙でも、市民と野党の共同をすすめ、県内各地で市民と野党の共同をめざす勢力の力量を高める。
④ 若い人の要求と知恵を活動に反映させる、県内各地の要求やとりくみを反映させる、という観点から、役員を補充していく。
2 山口県知事選挙へのとりくみの経緯と方針
(1) 2022年1月20日告示2月6日投票の山口県知事選挙に、村岡知事に対抗する候補として千葉まりさん(新日本婦人の会山口県本部会長)が出馬表明をしています。
市民連合@やまぐちは、役員会で、市民と野党の共同の候補として、千葉さんを推薦することを決めています。
(2) 千葉さんは、「誰ひとり取り残さず、みんなの声をいかす」をスローガンにして、「憲法9条改悪、安保法制に反対し、立憲主義を守りぬく」ことを政策に掲げ、市民と野党との共同を大切にする立場を示しています。
市民連合の目的やとりくみに照らして、千葉さんが候補者としてふさわしいことは明らかです。
ただ、ここまでの経緯について、市民連合に賛同してくれるみなさんに説明する機会がなかったので、以下、おおまかな説明をします。
(3) 市民連合は、2021年1月24日に開いた総会で、「2022年2月予定の県知事選挙においては、野党統一候補の擁立をめざし、各政党、団体、個人との協議をすすめます」という方針を決定しました。
その後、市民連合は、県内野党との間で、主に10月の総選挙に向けての野党統一候補の擁立、野党共通政策の確定に向けて協議を続け、その際、県知事選のとりくみについても問題提起をしてきました。しかし、総選挙が終わるまでは、県知事選について踏み込んだ議論やとりくみをすることができませんでした。
(4) こうして、県知事選候補者が決まらないまま11月を迎え、県知事選が近づく中で、11月18日、過去において何度か「革新統一」の知事候補で擁立してきた実績のあるみんなの県政をつくる会から、市民連合に対して、野党統一候補として千葉さんを擁立することを要請する書面が届きました。
市民連合の役員会では直ちに検討をし、同月23日に行なった野党との協議の中でも問題提起をしたうえで、千葉さんを市民と野党の共同の候補として推薦することとしました。そして、市民連合は共同代表名で、同月24日付書面で各野党に対して、市民と野党の共同の候補として千葉さんでたたかうことを要請しました。同月29日の候補者発表記者会見には、市民連合の共同代表が出席しました。なお、千葉さんの選挙母体は、「誰ひとり取り残さず、みんなの声をいかす山口。」であり、市民連合はその構成団体にはならず、独自に推薦をしています。
(5) 各野党の態度ですが、2021年12月27日現在、共産党が推薦、社民党と新社会党が支持、立憲民主党が自主投票、れいわは未定となっています。
国政選挙と同じ態勢とはならず、前回の熊野さんのときと同様になりましたが、政党支持の枠をこえて広く市民と共同することが重要です。
(6) 県知事選のとりくみを通じて、県民の県政への関心を高め、県民要求を掘り起こすとともに、要求や課題で新しい人たちとのつながりをつくることが、選挙勝利にとどまらず、国政選挙(とくに2022年参院選)に向けて市民と野党の力量を高めることにもなると考えます。