「市民連合@やまぐち2019年総会&講演会」の報告

「市民連合@やまぐち(以下、市民連合)」の2019年総会&講演会が1月14日に開催され、会場の山口市民会館小ホールは、追加の椅子を出すほどの満席で200名を超えるご参加でした。共同代表は、那須正幹さん、纐纈厚さん、外山英昭さん、金澤正善さん、熊野譲さん、桝本康仁さん、内山新吾さん、松田弘子さんで、2018年10月1日に纐纈さんの呼びかけで結成されました。市民連合は、立憲主義・民主主義・平和主義の確立を目的として、市民主体の政治を実現するための、市民ひとりひとりを主体とする個人の集合体です。そのため、目標・理念を共有する政党と市民との接着剤の役割を果たしていきます。今回は、今年の夏の参院選挙を課題に具体的な議論がされました。

 総会は、市民連合の共同代表と県内野党の代表が最初から登壇した形で、桝本さんの司会で開会されました。
 冒頭、那須さんより、野党統一候補で「自民の議席を1人でも減らそう」とあいさつがありました。続いて、松田さん(事務局長)から、前回の臨時総会(2018年7月)以降の経過報告・会計報告、活動方針の提案が行なわれました。内山さんからは市民連合がめざす、参院選への無所属無党派の野党統一候補の擁立に向けた取り組みの報告がありました。
 候補者擁立に向けて市民連合の共同代表と県内4野党(国民民主党、日本共産党、社民党、新社会党)の代表は、昨年夏以降、総会までに4回の協議を開きました。その中で12月初めに国民民主党が独自の公認候補擁立を発表、市民連合は厳しく批判をしました。しかし今後も、国民民主党を含め、さらに12月に立ち上げられた立憲民主党山口県連も協議に参加し、県内5野党で統一候補擁立に向けて協議を続ける方向が確認されました。現在、市民連合の候補者擁立は白紙の状態です。
 内山さんは、「これを乗りこえていくためには粘り強い取り組みが必要だが、纐纈さんの選挙(3年前の参院選)で共闘の下地は出来ている。野党も市民も本気になれる候補者を擁立する。本気になれる政策をきちんと確認し合って選挙を闘う」と市民連合の決意を述べ、「野党を動かすのは市民の声、市民のエネルギーです」と結ばれました。

 続いて、県内5野党の代表、国民民主党県連 西嶋裕作代表、日本共産党 佐藤文明県委員長、社民党県連 佐々木明美代表、新社会党県本部 田中健次委員長、立憲民主党県連 坂本史子代表から、状況の説明や決意表明がありました(発言順)。その後、市民連合共同代表や野党代表への質疑・応答の時間が設けられました。
 県内野党の代表への質疑・応答は、12月21日に開催された市民連合の運営委員会(拡大版)で、市民と共同代表の話し合いの中で時間を設けることが決まりました。市民が一番疑問に、切実に考えている「山口県の野党共闘は今、どうなっているの?」という声に答え、ありのままの状況を出して、皆で考えていくことは、市民主体の政治をめざす目的にも合っています。県内5野党全ての代表に揃っていただき直接質問ができることは、市民連合だからこそ実現できた貴重な機会です。会場からは「協議を今後も続けてほしい」と要望が出ました。
 熊野さんの進行で行なわれた記念講演は、安保法制に反対するママの会・発起人の西郷南海子(さいごうみなこ)さんの、「市民のチカラを引き出す選挙!」と題した講演でした。京都大学で研究活動を続けられている31歳、3人の子どもさんのママである西郷さんからは、ママの会の立ち上げ、(中央の)市民連合の発足、京都府知事選挙からの学び、これからの選挙に向けての具体的なお話がありました。京都府知事選挙で使われた実際の「カフェビラ」を会場に回され、(今度、選挙があるんです、ではなくて)「今、私の友だちが選挙に出ているんです!」と言って配られた経験を話されました。

 西郷さんの講演は、「○○反対」は○○を知っている人にしか理解されない、ストーリー(自分がどういう気持ちでやっているか)を伝える大切さ、NO!だけではなくYES!のメッセージを発信していこう、子どもにも(誰にも)わかる言葉を使うことで市民活動や政治の言葉をバリアフリーにしよう、・・・どうやって伝えていこうかといつも壁に突き当たっている私たちがすぐに実行したい内容でした。また、西郷さんは重要な指摘をされました。経済もビジョンに入れて、若者に「一緒に生きよう!」という社会を作ろう。どういう社会を作りたいのか、どんなふうに生きていける社会を作りたいのか、語っていきたいというものです。

 終わりに、外山さんから「皆の心がひとつになる候補者を私たちが育てていく観点でやらなくてはならない」と締めくくりのあいさつがありました。(共同代表の皆さん、役割分担でおつかれさまでした!)
 3時間におよぶ総会&講演会でしたが、参院選に向けて、どうやって政治・選挙に関わっていくか具体的に学ぶものが多く、積極的に関わりたいという気持ちが起きる、そして私たちひとりひとりが元気になれる、集会になりました。