緊急事態に、いかそう憲法 いのちとくらしを守るために市民と野党の力を

 新型コロナウイルスの感染が広がり、世界中の人々のいのち・健康、くらし、雇用、経営、教育、文化などが、かつてない深刻な危機にさらされています。医療の現場をはじめ、教育・福祉の現場も、事業所も、家庭も、大きな困難を抱えています。初動対応が遅れた安倍首相は4月7日に緊急事態宣言を出しましたが、政府は人々の危機に対応できていません。

 私たち市民連合@やまぐちは、こういうときこそ、私たちひとりひとりが切実な声を上げ、憲法をいかして政治を動かすこと、これまで積み上げてきた市民と野党の共同の力をいかすことが大切だと考えます。

 外出は控え、マスクをして、コロナの感染を閉じ込めても、主権者の声を閉じ込めることはできません。

 私たちは、人々のいのちを守るため、政府に対し、新型コロナウイルス感染拡大防止と治療のため、直ちに万全の検査・医療体制を確立することを求めます。コロナ問題を通じて、医療・社会保障の充実をないがしろにするこれまでの政治の歪みが明らかになりました。いまこそ、税金の使い方を抜本的に改める必要があります。

 感染拡大防止には、外出自粛要請や休業要請が必要です。それを実効性あるものにするには、影響を受ける事業者や労働者などへの補償が不可欠です。補償は、迅速かつ十分なものでなければなりません。ここでも、中小業者や労働者、弱者に冷たい政治の姿があらわれています。すみやかに、かつてない事態に見合った財政出動を行うことが求められています。

 感染症に対応するために、私たちの自由が制約される以上、私たちは、その必要性と有効性について理解し納得することが必要です。コロナに関する情報、政府の動きに関する情報が十分に伝えられる必要があります。説明をせず情報を隠す安倍内閣の体質が、ここでも問われます。

 憲法は、13条で「生命」に対する権利の「最大の尊重」を掲げ、25条では、「健康で文化的な」生活の権利(生存権)を保障しています。29条では、私有財産の制限につき「正当な補償」が必要なことを規定しています。21条の表現の自由は「知る権利」を含んでいます。

 いま、たくさんの人々が発しているギリギリの悲鳴のような声は、憲法で保障された権利の主張です。政府は、それに応える責務があります。

 コロナ対策で政府の役割は重大ですが、コロナ問題に便乗して、緊急事態条項を加える改憲をすすめることは許されません。それは憲法にしばられない独裁政治につながる危険性があり、コロナ対応に必要なものでもないからです。

 私たちは、コロナの感染拡大防止と、困窮している人々の支援に努めながらも、安倍政治へのチェックを続け、安倍政権の退陣を求めます。

 政治の私物化、公文書廃棄を含む疑惑隠しの「桜を見る会」問題の解明と責任追及は、まだこれからです。森友問題でも、未だに、財務省職員の遺書の叫びに応えていません。法の支配を蹂躙し検察の中立性を脅かす高検検事長定年延長も撤回されていません。

 こうした民主主義の根幹に関わり為政者の資格が問われる重大な問題を、コロナ対応であいまいにすることはできません。

 また、いま運用されている特措法が濫用されることのないよう注視する必要があります。

 疑問を持ち、情報を求め、議論をし、表現をする自由を大切にしましょう。

 市民連合@やまぐちは、次の総選挙で山口の4つの選挙区で野党統一候補を擁立すべく、野党のみなさんと協議を続けています。それは、市民と野党が力を合わせることが、憲法をいかし、市民のいのちとくらしを守ることになると確信するからです。

 いま、新型コロナウイルス感染から市民のいのちとくらしを守るためにも、市民と野党が力を合わせて、政府に万全の防止策をとらせることが重要です。同時に、この危機においても国民の気持ちを忖度することすらできない首相には、退陣を求めるしかありません。市民連合@やまぐちは、憲法をいかして危機に対応できる政治への変革、政権交代をめざして、野党とともに取り組みをすすめていきます。

 新型コロナウイルスの感染を防ぐため、移動することも集まって会議をすることも控えなければならない困難な状況の中でも、ひとりひとりが工夫をしながら主権者として声を上げ力を合わせましょう。

2020年4月15日 

市民連合@やまぐち