「自律型ロボット兵器」の開発と禁止運動の現状

講演会のご案内

日 時:2019 年12 月15 日(日) 13:30~15:30
会 場:山口大学人文学部大講義室
講演者:小金澤 鋼一 さん(東海大学・制御工学)

主 催:日本科学者会議山口支部 共催:山口大学教職員組合,ミニ講座「YU学び舎」
連絡先:山口大学教職員組合(Tel083-933-5034)
    実行委員会メール yama40818@gmail.com

9世紀頃の火薬の発明、20世紀の核兵器、そして21世紀に第3の兵器革命が起ころうとしていると言われています。人間の判断を介さずに殺人や破壊を実行する自律型AI兵器です。
 技術の発展に伴うドローン兵器の威力は9月中旬のサウジアラビアの石油施設爆撃でその威力をまざまざと示しました。アメリカが供給した最新の防空システムでは迎撃はおろか、探知すら出来ず、誰が攻撃したかも分かりません。反政府組織でも安価で高性能な兵器を手にし、大国に対抗できる、まさに脅威の技術革新です。
 現段階では攻撃目標を人が設定し、出撃途上ではGPSと地上識別機能を駆使して行動をコントロールして目標に到達する半自律型です。しかし、いくつかの国では完全自律型の開発を目指しているといわれています。殺人ロボットはSFの世界から現実の世界のものとなる日はそう遠くはありません。
 多くのAI研究者、ロボット技術者がこうした危険性に警鐘を鳴らしています。しかしながら、大国の思惑で国際的な対応は遅れています。生物化学兵器の禁止条約のように、早急な措置がとられないと、核兵器拡散と同様に人類存亡への危機が迫っていると言えます。
 講演ではロボット工学の研究の第一人者が、AIを搭載した自律型ロボット兵器開発競争の現状を踏まえ、多くの著名人,AI・ロボット研究者の反対の声をあげていること、さらに国連における禁止条約制定の動きについてお話しします。
 年末の忙しい時期ではありますが、山口ではまたとない機会です。参加費無料です。平和を願う多くの方々のご参加をお待ちしております。

講演会実行委員会 外山英昭(山口大学名誉教授)

注1:AIとは、Artificial Intelligent (人工知能)の略語。
人間の「知的ふるまい」の一部をコンピュータプログラムを用いて人工的に再現したものであるが、機械学習の能力を持たせることで、ゲームにおいてチャンピオンになるように、人間の「知能」を越える領域が可能となっている。

注2:ドローンとは、自律性を有する無人航空機
すぐにイメージするのは下図のように4つの回転翼を持つマルチコプターであるが、固定翼のドローンも特に軍事用には多くある。